バイリンガルとメタ言語

日本語を話す日本人が思考をするとき、それは日本語で行われるというのが定説である。それゆえに外国語である英語をペラペラ話せるようになりたければ、まず英語で考えなさいと唱える参考書も多い。
一方で、スティーブン・ピンカーは著書で、思考は言語に先行すると説く。人間の脳にはメタ言語のような抽象言語が存在し、(話し言葉としての)言語に全く依存しないという説である。たしかに、もし思考がすべて言葉により行われるものであるならば、その言語の語彙にない事象・現象は認識はできないことになる。英語におけるlook, see, watch, gazeはすべて日本語の「見る」だが、日本人が「直視して見る」、「(目に入ったものを)見る」、「注意して見る」、「じっと見る」といった概念を統一的に扱っているということになるが、それは当然否である。ただその一方で、「けちょんけちょん」、「ぐでんぐでん」といった日本語特有の擬態語を、非日本語話者が言語情報なしに思考のみで想起できるかというと疑問であり、結局のところ言語と思考は相互に密接に絡んでいるというべきなのであろう。

バイリンガルを目指し、子供に早期の英語教育をすることが、個人の思考はたまた人格にどういった影響を与えるのか、また正しい言語獲得プロセスとはそもそも何なのか、そんなことを考える通勤電車の中でこのような駄文を書いた。

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